異端と正常

 ついに土日で第二回旋光の輪舞関東大会が終了するわけですが。

 今日これを書いても誰か読むのかという疑問はあるものの、こういう微妙なタイミングで書いて大会中につい思い出してしまって調子が乗らなかったり、大会後に読んで「いく、いくぅ」とか「種、種ぇ」とかそんな表情をされるというのは我々の業界では御褒美なので書きます。あと若干失礼なことを書きますが、不快に思ったら明日か明後日にでも「ば〜〜〜〜〜〜〜っかじゃねえの!?」とか言ってください。「すいません、フヒヒ」とか言います。

 さて、SST勢ほぼ全員に言えることなんですが、相手を「読む」という行動を行わない人が多いですね。相手の動きを「見る」という段階まで至っている人は多いんですが、「読む」という段階はほとんど行わない。なので、悪い言い方をすれば【相手キャラと自キャラしか見えていない】という人が多いように思えます。筐体越しに相手がいるにも関わらず、という意味です。2D格闘では日常的に行われる「読み」は、『旋光の輪舞』においても小さいながらも重要なスキルだと私は考えています。極端な例で言えば、【相手が「あの弾幕技を出そう」という思考をしたことを読んで、うまくタイミングを合わせてダッシュM等で弾幕技を潰す】という行為ですね。どのキャラでも、「読み」が出来るようになれば勝率が上がるだろう、とは思いますよね。私はゲーセンでは「相手の思考を筐体越しに読み取って対応する」みたいな犯罪者予備軍みたいなことを口走りますが、実際はもっと簡単なことなんですよ。


 では「読み」という行動を解説してみましょう。

 「読み」は、単純に言えば相手の動きを読むことです。じゃあどうすればいいのかというと、これも単純で【自分が相手の立場にいるとき、どう行動するか】を経験と勘で判断すればいいのです。また極端な例で言えば、【「自分と相手が同時にバニッシュして、自分のゲージが1個もない時に相手はフルゲージ」という状況だったら相手はどうしてくると思いますか?】ってことです。十中八九、相手はファイナルボス使ってくるだろうなと私は判断します。

 要はこれが細かい場面でも、できるかどうかという問題なわけです。自分がミカAを使っていて、相手がカレルBでこっちがダウンして遠距離に離れられた時、カレルBがしてくる選択肢はそう多くありません。その選択肢の中で、それまでの相手の行動を参照しながら、相手の行動の一つか二つに目星をつけて、その行動をしてきた際にこっちが有利になる行動をする。この【相手の今までの行動を参照する】と【相手の行動に目星をつける】と【その場合にこっちが有利になる行動をする】というのは、ゲームに親和性がある人間なら経験次第で誰でもできるようになると思います。ですが自分が相手の選択肢の中で、間違った選択をしてしまうと、それはまあお察しください的な悲劇となるわけです。その正解率は、経験則で多少は上げることはできますが、最終的には「勘」で当てるしかありません。逆に相手が、こっちが読んだ行動をさらに読んで、逆の行動をしてくるということもあるわけで、そういう領域で対戦していると勝負しているという気分になりますね。すごく脳内麻薬がでてると思います。

 とはいえ、私も常に相手の動きを読んで戦えているわけではありません。というか、前述のとおり『旋光の輪舞』は「読み」の要素は2D格ゲーに比べるとかなり小さいです。2D格ゲーは(特にストⅢなんかは顕著に思う)対戦中、ほとんどの場面で読み合いが発生していますが、センコロ弾幕ゲーでもあるわけで、場を制圧されてしまうと読みもなにもありません。ただし、ある特定の場面。制圧された状態が解けかけた時、相手と自分の状況がイーブンの時などに一瞬だけですが、確実に読み合いの場が発生します。その一瞬を見逃さず、針の穴を通すような正解を選んで相手を打ち倒せば戦いは自分に大きく傾くでしょう。


 ミカAがとても貧弱な子だというのは周知の事実です。しかし、実際に読み合いを制すれば勝てる確立はかなり上がります。その読み勝った時に、相手を最低限の武装を持ってスマートに殺害するのがミカAの楽しさです。読み勝っても負ける時もたまに、いや日常的にあるわけですが、そんなシグルイ思考でセンコロをやるのは俺だけでいい。


 しかし最近の人たちはゲームやってるときにこんなことを考えてやってんのかなー、という疑問はある。勝つというのは、勝てるキャラで勝つ行動をすれば成るわけですから、究極的に言えば勝てないキャラでやってるのは勝つ気がないといえます。しかし、大昔にあった格ゲーブームの頃はこんな矜持をもってやっていた熱い人が多かったんだろうなー、と考えながら、今の時代でもこんな矜持を持っているやつはいるんだぜ!? ってことを若い子に魅せてやりたいなー、とかこじつけのように思います。ゲームを楽しみすぎるってことは、勝利から遠ざかるという結論で。……合ってるような間違ってるような。