また、ドラえもん

・海底鬼岩城

 海底鬼岩城はたぶん観たことがなかった。全編通して観た記憶がない。まあそんなことはどうでもいいのですが。これは大魔境の次の長編のはずなんですが、キャラデザというか作画の方式とでもいうのか、私たちが一番見慣れたタイプの作画・背景・設定になっているという。この作画だと、本当に日常(TV版)のすぐ側に非日常・冒険があるというのがよく感じられるという部分はいいのですが、逆にそっちに寄りすぎている印象があって、冒険部分も日常描写されていてイマイチ迫力がない。なんというか、映画というよりTV版の2時間スペシャルという感覚。それでも面白ければいいのですが。

 設定的にはたぶん借りてきた中で一番どうかしている作品なんですよ。ドラえもん一行が夏休みの旅行で深海に行くことになり、ガイド兼旅先での足としてバギーちゃん(三ツ矢雄二)が登場。ラストの特攻云々でバギーちゃんで語れる部分も確かにあるのですが(声優のわりにはしずかちゃんが好きとか(苦笑))、そんなことより海底人たちの設定が素敵すぎる。陸上で生活していた生物が生活圏を海に戻した例として、クジラ、イルカが挙げられ、また人類の一部もそうだったんだよ!という超理論。適応灯を持っている(ドラのとデザインも一緒という)ので、てっきり深海で暮らしているだけなのかと思いきや、「ときどき適応灯を使って地上に出て〜」という発言があったので、種族としてすでに地上人とは違うらしい。そして国の名前がムー連邦。同じ海底人で、大西洋にある国がアトランティス。沈んだとされる伝説の国じゃないか、という発言に対して、「それこそ伝説で、僕らは元々海底にいたんだよ」という、まあそういうネタできたわけですねF先生。あとバミューダトライアングルもネタにされていて、元々アトランティス国のあった場所がまさに例の三角地帯で、その三角に沿ってバリアを張っていたから、そのバリアに引っかかって船や飛行機がよく落ちるという設定に。そしてなぜバリアを張っていたのかというと、キカク弾という地上でいうところの核爆弾(というか性能としてはそのまま)というものがあって、世界中の海にキカク弾を撃ち込んでも自国が汚染されないようにバリアを張ったと。んでアトランティス国というのはすでに滅びていて、それはバリア内でキカク弾が娯爆してギャワー展開だったらしい。南無。で、最近海底火山が活発に活動していて、アトランティス国内に残されたコンピューター(通称ポセイドン)が、海底火山を敵国からの攻撃と勘違いして世界中にキカク弾がばらまかれてしまう云々。それを阻止して云々。以上。なんというか、設定は完璧だった。完璧にどうかしていた。